代表的な目の病気や症状についてご紹介します。

ここではあくまでも病気や症状の原因や治療法の一般的なご紹介をしています。

ご自身では診断、判断されずに早めに医師の診断を仰ぐようにしてください。

目の病気

目の病気一覧

代表的な目の病気一覧です。病名がわかる方は、病名をクリックして原因や治療法等確認に進んでください。

目の病気
ドライアイ ものもらい 緑内障
ケイレン 飛蚊症 糖尿病網膜症
網膜剥離 加齢黄斑変性症 近視
はやり目 翼状片 白内障
色覚異常 巨大乳頭結膜炎

目の症状・初期症状一覧

目の初期症状から原因と治療法をご覧いただけます。ご自身の眼の症状に近いものを選んでください。

目の症状
まぶしい ものが歪んで見える 視力が落ちた
目の中で光る 蚊のようなものが見える 涙目
目の見える範囲が狭い 目が乾きやすい 目に痛みがある
目の中心部が暗い 目の疲れ(疲れ目) 目がかすむ
目に腫れがある

まぶしい

まぶしさの訴えは、白内障ドライアイが原因となっている方が多いように思います。
白内障の原因は加齢変化にともなうケースが一番ので、やはりお年を重ねている方に多いですが、アトピー性皮膚炎や糖尿病に合併して生じたり、ステロイド内服の副作用などでも生じるので、若い方でも白内障を生じる場合があります。
視力低下の状態によっては、白内障手術を行うこともありますが、視力低下の伴わない場合は経過観察となります。
また、ドライアイによる場合は点眼治療で改善する場合が多いと考えます。
その他の原因としては、眼瞼けいれん、角膜炎、ぶどう膜炎などで生じることがあります。
まぶしさと言ってもこれだけの原因があり、それぞれ治療法がことなるため、やはり早期に眼科を受診し、原因に対する適切な加療が大切となります。

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ものが歪んで見える

ものが歪んで見える訴えは、網膜(カメラで言うフイルム)の黄斑という視力に最も大切な部分に異常があるケースが考えられます。50歳以上であれば、加齢黄斑変性症を考える必要があります。
現状では根本治療がなく、進行予防のための治療が行われており、早期発見、早期治療が大切となります。また、働き盛りのストレスの強い方には中心性網脈絡膜症が原因になることがあり、歪みの訴え以外に中心がぼやける症状が出ます。
その他の原因としては、黄斑上膜、糖尿病網膜症に黄斑浮腫、ポリープ様脈絡膜血管症、強度近視による近視性網脈絡膜委縮、などがあります。
以上ものが歪んで見える訴えは、原因によっては、手術や眼内注射、経過観察でもいいものなど治療も多岐にわたります。どの場合でも早期発見、早期治療が大切になりますので、歪みを感じたら早めに眼科受診をする必要があります。

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視力が落ちた

近視の進行、老眼の進行、メガネが合わない、白内障ドライアイ緑内障、ぶどう膜炎、角膜疾患、黄斑疾患(糖尿病網膜症による黄斑浮腫や硝子体出血、黄斑上膜、加齢黄斑変性症、近視性網脈絡膜萎縮など)、網膜剥離など原因として考えられる疾患は、非常に多く存在します。
メガネの調整や点眼治療などですむ場合もありますが、網膜剥離など緊急手術が必要なものまであります。
視力低下は、良好な視力な保つためにとても重要な角膜、水晶体、網膜の黄斑部に変化が生じる場合が多いため、やはり早期に眼科受診されることをお勧めします。

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蚊のようなものが見える

蚊のようなものが見えることを飛蚊症と言います。しかし、この飛蚊症という病名はあくまで状態を示す病名にすぎません。その原因には、生理的なものから、網膜に穴が開く網膜裂孔、目の中の硝子体という部分に出血が生じる硝子体出血などがあります。
症状だけを伺って、原因の病気を正確に言い当てるのは非常に困難で、必ず検査薬で瞳を開き眼底を調べる精密眼底検査が必要となります。もし、網膜裂孔であれば放置することによって網膜剥離に至ることがあります。網膜剥離になると入院での手術が必要になります。しかし、早期発見ができれば、裂孔周囲を網膜光凝固にて囲むことによって、治療できる場合がほとんどです。
飛蚊症を自覚したら、とにかく早期に眼科受診することが非常に大切になります。

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涙目

1.涙の排泄障害

鼻涙管閉塞:涙は、上まぶたの外側に産生工場があり、目の表面をうるおした後、眼がしらの上下まぶたの所に涙点という下水溝へと流れ出ます。その後、涙は下水溝である涙点から鼻涙管という管を通って、最終的に鼻の方に流れ出ていきます。この鼻涙管は加齢によって、細くなり、場合によっては完全閉塞してしまうこともあります。どうしても涙目が気になり、手術を希望される方は、鼻涙管を拡張するための手術が必要となります。
また、赤ちゃんで生れてからずっと涙が続く場合は、鼻涙管に本来自然に退化すべき膜が残っていることが原因となります。涙点マッサージを行い経過観察し、ある程度の時期になっても改善しない場合のみ、ブジーといって鼻涙管にある原因となる膜に対する処置を行います。

結膜弛緩症:涙は分泌されたのちに、まぶたと眼球との間にできる溝に溜まり、瞬きとともに眼球表面に引き伸ばされます。この結膜弛緩症とは、加齢と共に白目の表面にある結膜という膜が緩み、前述した涙の溜まる溝を占拠してしまいます。その影響で涙が一時的に溜まる場所がなくなるため、涙があふれてしまい、結果涙目になってしまいます。
軽度の場合は経過観察ですが、涙目の程度が強く、角膜に傷がついたり、涙目によって目尻の皮膚がただれて痛みを生じるなどの場合、まつ強い手術希望のある方は手術をお勧めしています。
しかし、あくまで結膜弛緩があり、鼻涙管が正常に機能していることが手術適応の条件となります。
手術は、緩んだ結膜を張りのある状態に戻し、涙の溜まる溝を作り上げるものです。

2.涙の過剰分泌

涙が外界からの刺激に反応して、分泌過剰になることが原因です。例えば、目に異物が入ったり、冬の朝の寒い風も、涙のでる原因となります。異物であれば、それを除去すること、寒い風が原因であれば、点眼薬で抑えることができます。やはり原因をしっかりと診断し、原因にあった治療が症状改善の近道となります。

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目の中心部が暗い

まず最初にお伝えしたいのは、特に中心部の症状は視力に直接かかわる部分ということです。その後の視力に大きく左右する可能性があります。中心部の見え方の異常を感じたら、時間をあけずになるべく早めに眼科受診をしてください。
目の中心部の見え方は、網膜(カメラで言うフイルム)の中心部である黄斑部が担当しています。
黄斑部は、中心部の視野を担当すると共に、最も良い視力を出す部分でもあるため、ものを見ることにおいて、非常に大事な部分となります。
この部位の生じるものとして、黄斑円孔、中心性網脈絡膜、黄斑上膜、糖尿病網膜症に黄斑浮腫、網膜静脈分枝閉塞症による黄斑浮、腫加齢性黄斑変性症、ポリープ様脈絡膜血管症、強度近視による近視性黄斑出血、網膜細動脈瘤からの黄斑血腫、など、いずれも眼科での詳細な診断が必要なものばかりです。状態により経過観察が可能なもの、硝子体注射が必要なもの、手術療法が必要なものなど、詳細な眼科検査のもとで治療法は分かれていきます。まずは正しい診断を行うことがとても大切となります。

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目の見える範囲が狭い

目の見える範囲が狭いもので、考えなくてはならないものは緑内障と網膜色素変性症と言えます。

緑内障は、眼球の内圧である眼圧によって、眼球の中に存在する目の神経(視神経と呼ぶ)がダメージを受け、視神経が担当する視野の感度低下や、進行すると視野欠損や視野狭窄につながる目の病気です。日常生活において片目でものを見ることがほとんどないため、自覚症状が見つかりづらいのも緑内障の特徴と言えます。 自覚症状のある場合は、やはり早めに眼科にて診察を受け、正しい診断が必要です。 治療は、基本的に点眼薬治療になります。点眼治療以外に内服治療やレーザー治療、手術療法が必要な場合もありますので、やはり早期発見、早期治療であると思います。

網膜色素変性症は、暗いところで見づらくなる「夜盲」が生じます。同時に周辺視野が狭くなってくるのが特徴です。内服や点眼治療で進行予防をはかる必要があります。上記の症状がある場合は、早期に眼科受診されますようお願いします。

その他、網膜剥離や硝子体出血(眼球の中には卵の白身のようなものが入っており、その部分を硝子体(しょうしたい)と呼ぶ)、網膜静脈分枝閉塞症なども、比較的広範囲の視野が見づらくなりますが、いずれも早期眼科受診、早期治療が大切です。心配する前にまずは眼科を受診することが、改善の第一歩です。

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目が乾きやすい

ドライアイが原因と思われますが、コンタクトレンズ使用や乾燥した環境、長時間のPC作業がさらに目の乾燥を助長します。その状況にあった目薬を正しい回数で適切に行われれば、「想像以上によくなった」、「仕事でパソコンを使用しても疲れず、最近は見やすくなった」と言われる方もいます。
また、ドライアイの目薬はしているけれど、いっこうに治らないという方の中に、眼瞼ケイレンが同時に生じている方がいます。こんな場合は、眼瞼ケイレンに対する治療により、大きな改善が得られます。詳しくは目の病気の「ケイレン」をご覧ください。
ドライアイと言ってもいろいろなタイプの目薬や治療が存在します。乾き目でお悩みであれば、是非ご相談ください。

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目の痛み

目の痛みと言っても様々なものがあります。異物が実際に目の中に入ってしまい、目の痛みを生じるものとして、結膜(白目の表面の部分)に生じる結膜異物と角膜(黒目の部分)に異物が存在する角膜異物があります。
特に角膜異物は、角膜が非常に痛みの神経が発達していますので、異物が入り角膜に傷がついた場合は、非常に強い痛みになります。

痛みの症状が強く、涙が止まらない場合、角膜炎や角膜びらんが考えられます。角膜炎はコンタクトレンズの不適切な使用(長時間使用、コンタクトを付けたまま寝てしまった、one dayコンタクトを複数日使用しているなど)などにより、角膜に傷がつき、細菌感染を生じた状態です。
また、角膜びらんは、何かしらの原因によって、角膜表面が剥がれたことによるもので、痛みと共に涙が止まらず、痛みが激烈な場合には目が開けられなくなる場合もあります。いずれも早期診断と状況にあった治療が必要です。

また、目の強い痛みの場合に最も注意しなくてはならないものが、「急性緑内障発作」です。
これは若い時から遠くはメガネやコンタクトレンズも必要なく、視力のいい方(いわゆる遠視の方)に多いもので、目の内圧(眼圧と言います)が急激に急上昇することにより、目に痛みが生じるものです。同時に頭痛や吐き気も生じることがあります。この場合は放置することによって、緑内障による視野欠損が残る場合もあるため、緊急で眼科受診することが必要です。治療は内服や点滴により眼圧を下げ、その後にレーザー治療が必要となります。夜中であっても、夜間救急をおこなっている大学病院や市中病院に必ず受診するようにしてください。

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目の疲れ

眼精疲労が考えられますが、問題はその原因が何であるかです。原因としては、長時間の目の使用による目の調節筋肉である毛様体筋への負担が考えられますが、これは度のあっていないメガネやコンタクトレンズの使用も一つの原因になります。また、過度なPC、スマホによる目の酷使によって、眼精疲労以外にドライアイを引き起こしている場合も多く、お仕事をされている方に最近増えているタイプの眼精疲労です。
治療の前に、適切なメガネ、コンタクトレンズであるかの確認やドライアイの有無を調べ、眼精疲労に対する適切な加療(点眼薬だけでなく場合によっては内服治療など)を行えば、症状の改善もしくは軽減ができます。
毎日疲れずスッキリ見えるという目の環境づくりは、ストレスを減らす1つのコツのように思います。

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目の中で光る(光が見える)

これは、光視症と呼ばれる現象です。
網膜から後部硝子体と呼ばれる膜が剥がれるときに、その刺激が視神経に伝わり、あたかも光が見えるように感じる状態をいいます。症状としては、「稲光が走るように見える」と話してくださる方もいます。光視症は網膜裂孔といい、網膜に穴が開き網膜剥離の前兆になる場合もあります。自覚症状があるのであれば、一度早めに眼科を受診されることをお勧めします。

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目がかすむ・目のかすみ

目のかすみは、短時間で改善するものと常にかすむものに分かれます。
短時間で改善、もしくは時間である程度繰り返すものは、ドライアイや眼精疲労、結膜炎による目ヤニなどが考えられます。
また、常にかすむものには、「老眼」、「メガネ・コンタクトレンズが合っていない」、「白内障」、「ぶどう膜炎」、「重度なドライアイ」、「緑内障」、もしくは「治療の必要な網膜の病気」が潜んでいる場合もあります。
かすみが軽度であっても、見え方に関しての症状はその後の視力にかかわる場合もあります。是非、自己判断はせずに、まずは眼科医による判断を仰いでください。

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目に腫れがある

目に腫れがある場合に、考えるのが「ものもらい」です。でも、部位と腫れが似ているもので「霰粒腫」というものがあります。見た目が非常に似ているので、よく間違えられるのですが、違いは「ものもらい」が細菌感染であることです。治療は、点眼のみの場合と腫れの強い場合は内服治療も同時に行うと腫れは早期に引く場合が多いように感じています。

その他に眼蜂窩織炎というものもあります。これは目の周囲がものもらいのように部分的に腫れるものと異なり、目の周囲全体が腫れあがるものです。入院による治療が必要となるものです。

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