目の病気、近視について解説します。その理由と原因、対処法について紹介します。

近視の原因

近視の原因として、次の2つの因子が挙げられています。

  1. 遺伝
  2. 長時間の近方作業(読書、勉強、ゲーム)などの環境要因

上記2つの原因をもとに近視になりますが、その進行過程においては次にお話しする作用が目に起こるとされています。
光は目の調整によって網膜面上に焦点を結びますが、網膜の周辺部では焦点が網膜面上ではなく網膜の後方にずれることがあります(図1)。
この後方へ焦点ずれが刺激となり、目は焦点ずれを補正するために眼軸(目の前後の長さ)を後方に伸ばすと考えられています。
これらの影響によって、正視と言われる近視でも遠視でもない正常な眼軸長の状態(図3)から近視の眼軸長が伸展した状態(図4)に変化していくのです。
その結果、遠方からの光が網膜より手前に焦点を結び、網膜に届く像がぼやけてしまうことで、遠くの物が見えづらくなってしまいます。ほとんどの近視はこの様な状態によって生じています。

網膜の周辺部では焦点が網膜面上ではなく網膜の後方にずれる(図1)

焦点ずれを補正するために眼軸を後方に伸ばす(図2)

正視(遠視でも近視でもない状態)(図3)

近視(眼軸長の進展)(図4)

近視の進行予防

眼軸長の伸びを抑えることで、ある程度近視の進行予防が可能であることが分かっています。
現在近視の進行予防として効果のあるものとしては、次の治療法が挙げられます。

  1. 0.01%アトロピン点眼液の点眼
  2. オルソケラトロジー(ナイトコンタクトレンズ)
  3. 累進屈折力レンズによるメガネ(MCレンズ:遠近両用レンズ)
  4. その他(マルチフォーカルソフトコンタクトレンズ)