院長コラム 『感謝は行動に起こしてこそ伝わる』2025.7.23

院長コラム 『感謝は行動に起こしてこそ伝わる』

今日、本当に凄い嬉しいことがありました。今から13年前くらい前に埼玉県本庄市にある実家の春山眼科に週一回白内障手術だけをやりに行っていました。週一回それも2時間半程度の滞在でしたが、スタッフがとても協力的かつ、とても良くしてくださったので、僕もとても感謝していました。スタッフのチームワークが素晴らしく、いつも気持ちよく手術をさせてもらい、7〜8年間でしたが、僕にとってはとても良い思い出になっています。

今日の午前の外来中に受付スタッフから、『先生の実家の埼玉本庄市から患者さんがいらしています。院長とお知り合いですかと尋ねたのですが、そんな知り合いではありませんと仰る方が来院されています」と、スタッフが伝えに来ました。スタッフに名前を聞いたら、Oさんという方でした。実家本庄市にOさんという苗字の方が数人いたので、最初は僕も誰なのか検討がつきませんでした。

それから15分が経ち診察待ちの椅子に座っている方を見たら、すぐにOさんが誰であるか分かりました。その方は、当時僕が実家で白内障手術をしていた時にいた眼科スタッフのOさんでした。わざわざ2時間以上かけて、埼玉本庄市から三軒茶屋まで来てくださったのでした。

診察時にお話をすると、診察を受けることが本当の目的ではありませんでした。Oさんが僕の実家の眼科医院を辞めるにあたって是非お礼を言いたいとのことでした。お聞きすると今年で勤続29年だったそうです。とても真面目で気持ちのとても良い方で、当時も一生懸命な姿が今でも目に焼き付いています。僕が忙しく手術の準備をしているといつも温かい笑顔で迎えてくれました。あまりにも良い方だったので、僕の使っていたジャケットを差し上げたのですが、その時のことも覚えていらっしてお礼を言ってくださいました。

今年4月で実家の眼科での医師としての仕事を89歳で引退した父親のことを慕ってくださっていて、父親が生きている間は勤務を続けるつもりだったのに途中で辞めることとなってしまい申し訳ないと言っていました。当時からその責任感の強さと義理堅い気持ちは感じていましたが、そこまでの思いがあったとは知りませんでした。なんとも義理堅いその気持ちと、遠路はるばるその思いを伝えるだけに貴重なお休みの時間を使って東京まで来てくださったその気持ちを考えたら、僕も外来診察中にもかかわらず、思わず胸がいっぱいになり、言葉につまり、自然と涙が出てきてしまいました。本当に有り難いなんとも言葉にはできない気持ちになりました。最後は両手で握手をして、深々と頭を下げて感謝の思いを僕からも伝えました。

外来が終わっても、その余韻が心の中に残り、なんとも言えない気持ちになり、久しぶりに心を動かされた経験でした。

やはり、感謝は行動に移して初めて本当に相手に伝わるんだなということを改めて感じました。また、その義理堅い気持ちをいつまでも忘れない日本人が本来持っている心の美しさみたいなものを感じました。

数年前に喜多川泰さんという作家の講演で聞いた『石刻流水』という言葉が頭に浮かびました。「受けた恩は石に刻み、かけた情けは水に流す」という意味のことわざです。まさにその精神を感じました。

義理堅さ、その気持ちを消して忘れない気持ちは、時代が経ても美しくこんなにも人の気持ちを動かすものなのかとあらためて感じました。僕も感謝の思いを持っている人には、積極的に行動を起こそうと強く感じました。Oさんに教わった大切なことでした。ありがとうございました。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。なかなか自分で感じないと文章を書けないたちで、今回はコラムの間隔が空いてしまいました。また、次回を楽しみにしていてくださいね。それでは😊🍀🟣。

『うれしい、楽しい、大好き、きっと上手くいく、ついてる』良い言葉を使って、自分も周りの人も幸せにしちゃいましょう。

今日一日が良い日でありますように😃😊😀🍀🟣