目の病気、はやり目について解説します。理由と対処法について紹介します。

はやり目とは?

アデノウィルスの感染によって生じる結膜炎のことです。
感染力が強く接触感染でうつるため、直接触れることだけでなく、物を介して間接的に感染することもあります。従ってはやり目になった場合は、目を触った手はよく石鹸で洗い、タオルなどを共有しないなど、周りへの配慮も必要になります。しかし、空気感染はしないため、一緒にいるだけでは感染しません。

上まぶたをめくると高度の結膜充血

上まぶたをめくると高度の結膜充血


はやり目の症状

  • 目やにが多く出て、起床時に目がひらかない
  • 白目の充血がつよい
  • 涙目

さらに状態が進行すると

  • 目に違和感
  • まぶたが赤くはれる
  • 光がまぶしい

はやり目の治療

目やに充血などを改善させるためのステロイド点眼と新たな感染を予防するための抗菌点眼の点眼治療を行います。原因はウイルスなので、風邪をひいた時のように栄養のある食事と睡眠を十分にとるなどの基本的なことが大切となります。

点眼してもなかなか治らない

  • 目やにが減らず、まぶたが赤く腫れてきた、目が痛くて開けられない

この様な場合には、まぶたの裏に偽膜という膜(写真1)が生じている可能性が高いです。偽膜が生じていると、点眼が効かず目ヤニが減らないだけでなく、まぶたが赤く腫れ上がったり、偽膜が角膜を傷てけることもあり目が痛くて開けられなくなることもあります。こんな場合は、点眼治療だけでなく偽膜を除去する必要(写真2)があります。なので上記症状が出た場合には、点眼治療で様子をみるのではなく、早めに再度眼科を受診するようにしてください。 特に子供の場合は泣いてしまい診察が不十分になりがちなので、しっかりとした診察が必要になります。

増悪して偽膜が生じている 増悪して偽膜が生じている

偽膜を除去 偽膜を除去

  • 目ヤニ、充血は良くなったが、霞しで眩しい。

この場合は、はやり目の後遺症として、黒目(角膜)に白色点状の混濁が生じている可能性がありますので、注意が必要です。この場合はステロイド点眼を混濁が消失するまで継続する必要があります。長い場合は治るのに6ヶ月以上を要する場合もあり、継続した眼科治療が必要となります。

はやり目による角膜混濁

はやり目による角膜混濁