網膜剥離とは?

『網膜剥離』(もうまくはくり)とは、分かりやすく言えば、眼球の内側にある網膜が眼球壁からはがれる病気です。視野狭窄、視力低下が生じた場合は、手術治療が必要になる病気です。

網膜剥離の原因

網膜剥離には2つの原因があります

  1. 裂孔原性網膜剥離:網膜に裂孔(網膜にあく穴)が生じて網膜剥離にいたるタイプ。
  2. 非裂孔原性網膜剥離:網膜に裂孔が無く、原因が他にあるタイプ。その原因としては、眼球内にできた腫瘍や炎症が原因のものや、高血圧や糖尿病など原因として生じるものなどがあります。

裂孔原性網膜剥離とは?

網膜剥離の原因として最も多いものが裂孔原性網膜剥離(れっこうげんせいもうまくはくり)です。老化、網膜の萎縮、外傷、アトピーなどによって、網膜に裂孔が生じ、目の中の水が裂孔を通して入り込むことによって、10層存在する網膜のうち9層が一気にはがれる状態を言います。穴が開いたために露出した10層目には色素の豊富な層が存在し、その色素が眼内に放出されるため飛蚊症を生じます。飛蚊症が網膜剥離の前駆症状として出現するのはそのためです。

裂孔原性網膜剥離は、早期発見で剥離範囲が小範囲であれば、光凝固(レーザー)治療で完治する場合もあります。しかし、広範囲の網膜剥離、目の中に大量の出血(硝子体出血)が生じている場合には、発見した時点で緊急手術になる病気です。なぜなら失明に至る危険性があるからです。
放置することによって、手術を行っても視力改善が得られない場合もあるので、やはり早期発見、早期治療がとても大切な病気です。

急速に進行する場合がありますので、前駆症状の飛蚊症、光視症や急激な視野狭窄、視力低下時はすぐに眼科診察を受けるようにしてください。

網膜裂孔
網膜裂孔

網膜裂孔 光凝固治療後
網膜裂孔 光凝固治療後